グラレコ

【グラレコの基本】意味あるグラレコにするために大切なポイント7選

こんにちは!普段はIT企業でゆるい(いや結構ちゃんと働く)OL、休日はグラフィックレコーダーをしているあかりん(@suki2sunao2)です。本記事では、意味あるグラレコにするために大切なポイント7選をご紹介していきます。本記事を読むことで、満足度が高く意味のあるグラレコが描けるようなポイントをお伝えいたします。

意味あるグラレコにするために大切なこと
求められるグラレコにおいて、抑えるべきポイント
絵が下手でも満足度の高いグラレコを作るために必要なこと

この記事では上のような内容を中心に、個人、企業、団体、大学などの様々な場所や人に向けてグラレコをしてきた経験を踏まえてお伝えします!

この記事のおすすめの読者

  • グラレコって意味あるの?と疑問に思う方
  • 絵は下手だけど、グラレコで人の役に立ってみたい方
  • 満足度、納得度の高いグラレコを目指す方

目的を確認する

何のためにグラレコをするのか、誰に見せるためのグラレコなのかについて確認しましょう。グラレコ依頼者が何を目的としてグラレコを依頼しているかに応じて、作成すべきグラレコの形が大きく変わります。

イベントや講演のグラレコ

目的に応じてグラレコの作成方法も大きく変わります。例えば、イベントや講演の雰囲気を盛り上げることや、参加者がコメントしやすくすることを目的とする場合は、対面で模造紙に大きく描きながら実施できると良いでしょう。一方で、イベントの認知を上げることや、参加できなかった方への共有、イベントや講演の振り返りや記録として利用したい場合は、SNSで拡散しやすいように、iPad等で作成することが求められる場合もあります。

グラレコの目的別の特徴はグラレコ意味ない?目的別に見るグラレコの特徴とメリットにてご紹介しています!

グラレコを依頼時の確認事項は【グラレコ依頼方法まとめ】料金・準備事項・依頼方法・選定基準などを徹底解説!にてご紹介しています!

個人のグラレコ

自己紹介や人生、キャリアや結婚式に至るまでのストーリーなど、個人の話を対象とした場合も目的を確認しましょう。誰かに見せることを目的としている場合は、どんな相手に見せることを想定しているのかを確認できると良いでしょう。見ず知らずの相手にすぐに理解してもらえるようなグラレコを作るか、知り合いや友人など仲良い友達に見せることを前提とした深い内容も含めて描きたいのかなど、グラレコをどう使いたいと思っているのかを確認します。

特に個人の場合は、なんとなくしかイメージできていないこともあるので、グラフィッカー側から選択肢を提示できると良いでしょう。

選択肢の例

  • 人に見せる想定?自分が見る想定?
  • 見た人が内容をすぐに分かる必要がある?じっくり見る想定?
  • 普段は意識しないような話を一緒に深堀り気づきを得たい?
  • 頭を整理したい?既に整理されていることを絵にしたい?
  • 具体的にどういう場面で使えると良い?

選択肢と合わせて、完成後のイメージも見せながら理想のグラレコをヒアリングできると、より納得感のあるグラレコを作成することができます。私自身も、はじめは自分の型に応じてグラレコを作成していたのですが、ヒアリングをしてから作成するようになってから、満足度や完成度が一気に上がりました!

上手く描こうとしすぎない

絵が下手だからグラレコはできなさそう」「絵が上手くないからできない」そんな声をよく聞きます。一方で、グラレコに求められることは、議論や対話、講演や授業の内容を分かりやすく表現していくことです。どれだけ絵が上手であっても、要点を抑えることができていないことや、話のつながりが分かりづらいことは多々あります。

絵に自信がない人こそ描いてみよう

グラレコにおいては、美術のセンスそのものよりも、物事を構造的に理解し、表現していく力が求められると思います。絵を描いているため、一見右脳を使っているようですが、実際は左脳もフルで使いながら、体系的、構造的に理解して形にしていくことがほとんどです。

そのため、絵が下手であっても何が描いてあるかがわかればOKです!むしろ、絵にこだわりすぎることによって、スピードが遅くなるのは避けたいところです。また、こだわる必要のないものにこだわりすぎることにより、重要なものを描き漏らしたり、1つの絵にこだわりすぎて話の全体感がつかめなくなったりすることも避けたいです。

はじめる時の心構え

グラレコは、お絵かき自体ではなく、対話や議論を可視化することに重点を置くものであるため、絵が下手な人でもはじめやすいなと思います。私自身も、絵を描くことが苦手だったため「絵が上手さはそこまで関係ない」と知って、はじめてグラレコに興味を持つようになりました。絵が得意ではない自覚がある場合は、絵にこだわりすぎずに、要点をおさえることに集中できるため、むしろ、グラレコに向いているかもしれないですね!

文字を書きすぎない

グラレコの目的に応じてではありますが、基本的には文字をそこまで書きすぎないよう意識できると良いかなと思います。情報を漏らさず描こう!と意識しすぎるあまり、すべての情報を記載してしまい、結果的に文字での情報が多くなってしまうことがあります。文字をメインにグラレコしてしまうと、関連するイラストが補足程度に描かれているだけのグラレコになってしまうことがあるため要注意です!

文字以外でニュアンスを伝える

もちろん、文字が多いことが必ずしも悪いわけではありませんが、せっかくのグラレコなのでアイコンや図形を駆使して表現できると、文字情報以外のニュアンスを伝えやすくなるかと思います。文字や図形だけでなく、色や形、イラストも含めてグラレコをする意味を最大限に活かせるような工夫ができると良いですね。

文字サイズを統一する

また、文字を描く場合は、使う文字の大きさを統一することをおすすめします。サイズの異なる文字が多いと、情報量が多く見えてしまうため、なるべく大小2種類くらいの文字の大きさで統一できると良いでしょう。iPadの場合は、グリッド線を表示できるアプリもあるため、文字の大きさを統一させるだけでなく、真っ直ぐに書きやすくなるため、是非利用してみてください!

iPadでのグラレコの設定は【iPadグラレコ】何からはじめる?アプリや設定をご紹介!にて紹介しています!

堂々と描く

こちらも絵に自信がない人に特におすすめしたいポイントです。イラストや文字、タイトルや似顔絵の線の太さ・大きさは、グラレコ全体の印象を左右します。細い線で細かく描くと、完成した後に見づらいことが多いです。また、自信がないように見えたり、情報量が多すぎるように見えたりすることもあります。

堂々と自信を持って描いてみよう

絵が苦手な人ほど、堂々と大きくしっかりと描くことをおすすめします。堂々と描くことで、何が大切なのかが分かりやすくなるだけではなく、何が描かれているのかが、見てすぐに分かりやすくなります。また、対面でホワイトボードや模造紙にグラレコする場合も、ペンの太い方を利用すると良いでしょう。大切なのは、絵の繊細さや正確さよりも全体感を捉えていることや、情報が抽象化され、まとまっていることです。すべての内容を細かく正確に描こうとせず「結局何が言いたいのか?」を抑えて堂々としたイラストや図形で表現してみましょう!

印象的なグラフィッカーさん

過去に出会ったグラフィッカーさんの中で、対話の中で最も印象的で重要だった場面のみをグラレコとして残されている方に出会いました。話の全体感がわかることはもちろん大切ですが、1番大切なことを思い出すことができれば、それに紐付く対話や議論が思い出せるためとても素敵な方法だなと思いました。そんな原さんのサイトはSketch Communicationから閲覧いただけます!どれも見応えのある素敵なグラレコ・スケッチだなあと改めて思います。

色は3色まで

色はグラレコの印象を左右する大切なポイントです。基本は3色で、好みや目的に応じて、適宜数を増やしたり、減らしたりできると良いかなと思います。3色の場合は、①メインの色②ポイントとなる色③サブの色といった使い分けができると良いでしょう。

メインの色

実際に絵や文字を描く際に利用する色です。紺色、焦げ茶色、深緑など、濃くてはっきりとした読みやすい色にすることがポイントです。次にご紹介する「ポイントとなる色」に合う色を使えると見栄えが良くなるため「ポイントとなる色」を決めた後に「メインの色」決めることをおすすめします。また、あまり薄い色や明るすぎる色を使ってしまうと、読みづらいため、控えめな色を意識できると良いでしょう。

ポイントとなる色

グラレコの枠や、レイアウト、重要な部分に色をつける際に利用します。イベントや団体のテーマカラーや、依頼主のイメージにあった色を使いましょう。色を統一することで、イベントや団体のブランディングにもつながるなと思います。特に、イベントや団体のテーマカラーが決まっていて、iPadでグラレコをする場合においては、スポイト機能で色を抽出して使うことをおすすめします。「ポイントとなる色」を中心に、「メインの色」や「サブの色」が決まるため、「ポイントとなる色」は、1番はじめに決めると良いでしょう。

サブの色

「ポイントとなる色」を使うほどではないが、色を添えたい場合に使います。「サブの色」の決め方は、主に以下の3パターンがあります。

  1. 「ポイントとなる色」を薄くした色を使う
    ポイントとなる色に近い色を使うことになるため、グラレコ全体で使われる色の数が少なくなります。資料としての見やすさや、信頼感が増す一方で、色が少ないため寂しく感じる場合もあるでしょう。
  2. グレーなど、何にでも合う地味な色を使う
    グラレコ全体のバランスが良くなる印象です。基本的には「メインの色」や「ポイントとなる色」を使いつつ、補足や影を加える際に利用するイメージです。薄いグレーを「サブの色」として使われているグラフィッカーが多い印象です。
  3. 「ポイントとなる色」の反対色を使う
    少しポップで明るい印象にしたい場合や、色を増やしたい場合に有効です。例えば「メインの色」が水色の場合は黄色を。黄緑とピンク、など反対の色を使うとにぎやかな印象になります。また、グラレコの内容に応じて、対比させる場面や、質問に対して回答していくという流れがある場面が多い際に有効です。

相手に寄り添う

グラレコの依頼主や、イベントの登壇者、主催者、場にいる人たちに寄り添うことを意識しましょう。気持ちだけではなく、空気感や表情などをしっかり読み取ることが大切です。これは、上手く描こうとすることや、出来上がったグラレコの綺麗さ以上に、意識したいポイントです。特に、グラレコ(グラフィックレコーディング)よりも、グラフィックコーチングやグラフィックファシリテーションに近いものを行う際に重要です。

イベントや講演のグラレコ

会場に集まっている人たちが、どんな雰囲気なのか、またイベントや講演が進んでいく中でどういう雰囲気や表情になっているのかに目を向けてみましょう。はじめは緊張していた雰囲気が徐々に柔らかくなっていく感じや、場が最も盛り上がった場面を色や形で表現してみましょう。イラストや文字以外の手段を使うことができるのも、グラレコの良いところです。暗い雰囲気や堅い空気の際には、青色やグレーなどを用いてカクカクした印象に。温かく盛り上がっている空気の際には、オレンジや赤色を用いてふわふわした印象に仕上げていけると良いでしょう。

個人のグラレコ

グラレコの目的にもよりますが、特にお客様が個人の場合においてはグラレコをする過程の中で「コーチング」の効果を発揮することも可能です。実際に私自身も「あなたの人生、絵にします」というグラレコサービスを通して以下のような嬉しい感想をもらったことがあります。

  • 今まで気づかなかった過去と現在のつながりに気づいた!
  • 自分の語った人生に対して新たなつながりや意味が見出された!
  • 自分の過去に色を付けてもらうと、当時感じていた複雑な感情が蘇ってきて不思議な体験

言葉以外の手段を通して、相手に寄り添うことができるのがグラレコやグラフィックコーチング、グラフィックファシリテーションの良さであり、強みだと思います。良さや強みを活かすためにも、相手に寄り添ったグラレコができればなと思います!

描くことより聴くことを

グラレコを描く!というと、どうしても描くこと自体に集中してしまいがちです。もちろん、グラレコを作成すること、描くことに集中することは大切ですが、それ以上に「描く対象となるもの」の話や内容を聴くことが大切です。聴かないことには、何もかけません!焦ってすぐに描き始めたくなることもありますが、ドッシリ構えて、話を聴く。その上で、話を抽象化したり要点を整理した上で描き始めるのが良いと思います。

個人的には6~7割の意識を聴くことに向け、残りの3~4割で描くことに集中できると良いバランスかなと思います。もちろん、グラレコの目的に応じてではありますが、しっかり受け止めて聴くことを忘れずにいたいなと思っています。

まとめ

ここまで意味あるグラレコにするために大切なポイント7選をご紹介してきました。

  1. 目的を確認する
  2. 上手く描こうとしない
  3. 文字を書きすぎない
  4. 堂々と描く
  5. 色は3色まで
  6. 相手に寄り添う
  7. 描くことより聴くことを

どれか1つでもピンとくるものがあれば、是非試してみてくださいね。心の通ったグラレコが少しでも増えますように!また、皆様のグラレコ人生が素敵なものになりますように!

ABOUT ME
あかりん
早稲田卒週末グラフィッカー。 IT企業でOLしながら、企業や地域のグラレコをしています。 チャイとインドをこよなく愛する関西ガール。
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