- イベントレポートや振り返りにグラレコをどう活かす?
- その場で描くグラレコの難しさとポイントは?
- グラレコがあると、イベントはどう変わる?
会議や講演を絵や図で整理するグラレコことグラフィックレコーディング。今回はグラフィッカーとして参加したイベントの振り返りとポイントをお伝えします。
イベント概要
まずは今回のイベントの概要をご紹介します。
カフェ・コーヒー・コリア 카페 커피 코리아 Beyond the Border展
日時:21 Jan. – 30 Jan. 2022
概要:カフェで珈琲を片手に、様々な観点から日韓について思考や対話を深める
ホームページには以下のようにも紹介されています。
表面的な文化の消費にとどまらず、一歩先の韓国と出会い、またより深い両国の相互理解を試み、さらに韓国や朝鮮半島の人びとの生活、社会、文化を理解するきっかけづくりとして本企画展を開催することになりました。カフェという文化空間でコーヒーを手にしながら一歩先の韓国、知らなかった日韓関係に触れていただけると幸いです。
引用元:カフェ・コーヒー・コリア 카페 커피 코리아 Beyond the Border展
大学の教室というような堅苦しい場所ではなく、カフェというゆったりとした空間で、珈琲を片手に、ゆるく深く語り合ったり思考を巡らせたりできる時間でした。
また、カフェ文化やアートという切り口からも日韓について考えるきっかけとなり、普段とは違った脳を使う感覚になりました。
グラレコで振り返る
ここからは、実際のイベントをグラレコを用いて振り返ります。
イベントでグラレコを作成したまま、振り返りに使うことがない方や、グラレコをもっと活用したいという方の参考にもなればと思います!
作成したグラレコはこちら計6枚です。
それでは、1枚ずつ話の流れとグラレコポイントを振り返っていきましょう!
1枚目は、タイトルを中心に描きました。
韓国のカフェでの思い出話からはじまり、対話を行うという行為そのものや、「解決」にたどり着こうと歩む過程そのものが大切だというお話でした。
- タイトルを大きく描く!
- 模造紙にグラレコする場合は、マーカーの太い方を使うことで堂々と見える
- 1つの話のまとまりが分かりにくい
- 話のまとまりごとに、線で囲ってみると良い
2枚目は「韓国・日本に興味を持ったきっかけは?」というテーマでした。参加者が自由に話している内容を描いていきました。
アイドルブームがきっかけで好きになったという話から、日韓のカフェ空間の使い方の違い、シェアする文化や、場作りに至るまで、様々な話がありました。
- テーマを中心に大きく描くことで、何の話か?がわかりやすい
- 表情にこだわりすぎずに、スピード感や要点を描けている
- 文字の大きさがバラバラで読みづらい
- 文字サイズは、大小2パターン程度におさめられると読みやすくなる
3枚目は「社会人になって日韓について考える機会はある?」というテーマで対話が繰り広げられました。
学生時代は考えることが当たり前だったテーマが、いざ社会に出てみると考えなくなるという話。また、会社の上司や周囲の人と考え方にギャップを感じることがあるという話もありました。
右下に描いたのは年齢層別に考えてみては?という話です。今の若者が大人になったら、「当たり前」とされる文化や思想はどう変わっていくのだろうか、という話を表しています。
- ギャップがモヤモヤしたものであることが、直感的にわかりやすい
- 「メディアを通して人を見ている」ことが矢印とイラストの配置で表現されている
- 様々な「ギャップ事例」を描く構図が分かりづらい
- 紙の中心に「ギャップ」を、その周りに具体事例を描く構図だと分かりやすい
こちらは4枚目のグラレコです。3枚目の内容から発展し普段抱えている違和感についての話がありました。
- 各話のまとまりごとに区切られていて見やすい
- 文字情報が多すぎず、少なすぎずで理解しやすい
- 会話の流れが分かりづらい
- つながっている会話は、矢印で順序を表記すると良い
続いて5枚目。ここまでで1時間半程経過していました。グラフィッカーが疲れてくる頃に、イベントでは重要な部分に差し掛かります。力みすぎずに、場に参加し楽しみながら描くことも、身につけたいスキルの1つです。
スウェーデンと日本では「障がい者」の割合が異なるという話。また、普段関わる仕事によって思考する量が違うよね、という話もありました。それぞれ違う価値観であることを前提に、それらにどう向き合っていけると良いのか、日韓の若者の政治への関わり方とその先の将来についてなど「今とこれから」に関するテーマで対話が進みました。
- 価値観が違うことを、形で表している点がシンプルでわかりやすい
- 2人以上を描くことで、絵だけで表現できる情報量が多い
- 黄色と水色の使い分けに意味があるのかどうかが分からない
- ポジティブ/ネガティブなど内容に応じて色を使い分けると良い
ラストの6枚目です!イベントの締めのコメントや感想が、様々な人からなされました。
グラフィッカーは客観的にイベントを追えるため、参加者とは少し違う視点からもコメントできる点が良いですね。
- 線での囲い込み方が躍動的であたたかい印象を与える
- 笑顔が多く直感的に、イベントの空気感が伝わる
- 残りのスペースを残さずグラレコを完結させている
模造紙グラレコのポイント
今回のような実際の現場に入り、リアルタイムで作成するグラレコのポイントは、「消せないからこそ堂々と」です。参加者や登壇者の目が気になったり、消せないことで肩に力が入ったりしますが、せっかく描くなら堂々と大きく描くことをおすすめします。
はじめはこのような、まっさらな状態からスタートします。
模造紙を重ねて少しずらしてマスキングテープで留める
紙がいっぱいになったらすぐに、剥がしやすいですし、テープで他の紙同士がくっつくことも避けられますよ。
どんな話も評価せずに描きとめる
話の要点を記載するのが大切な一方、グラフィッカーの主観だけで「良い」と思うものだけを描くのは勿体ないです。誰かのふとした発言や、一見どうでも良さそうなコメントに、後からハッとさせられることも多いですよ。
模造紙グラレコの良さ
ipadでのグラレコが多い中で、実際の現場で行うグラレコの良さは、場の温度があがること。その場で描かれていくことは、場に臨場感をもたらします。
登壇者や参加者が「発言したことが描かれていく」という経験ができることにも価値がありますね!だからこそ、細かく上手な絵よりも、雑で下手で良いので描くという姿勢が大切です。
まとめ
グラレコは、描いている途中だけでなくイベント後こそ効果を発揮する手段です。イベントが終わってからも、見返して感想を共有するきっかけにもなります。
その場で描くことは、場の雰囲気を盛り上げたり、イベントに臨場感や温度も加わえたりすることができます。せっかくなので、堂々と大きく描くことを大切にしたいですね。
これからも、たのしい時間を創っていけますように!
初心者向けグラレコの始め方は、コチラでご紹介しています!