こんにちは!普段はIT企業でゆるい(いや結構ちゃんと働く)OL、休日はグラフィックレコーダーをしているあかり(@suki2sunao2)です。本記事では、目的別にまとめたグラレコのレイアウトについてご紹介していきます。レイアウトは全体の構造を決める重要な役割を果たすため、便利で分かりやすいレイアウトをご紹介できればと思います!
- グラレコの便利なレイアウトが知りたい!
- 目的に応じてレイアウトは使い分ける?
- 分かりやすいレイアウトって?
この記事では上のような内容を中心に、絵が苦手だった私がグラレコを仕事にできるようになった経験を踏まえて、お伝えします!
この記事のおすすめの読者
- グラレコを上手く1枚に収められない
- 内容や時系列が分かりにくいグラレコになってしまう
- いつも同じレイアウトになってしまう
レイアウトがなぜ重要か
レイアウトがないと起きる問題
グラレコをはじめて、1枚に収まりきらない!と思った方は多いのではないでしょうか?特にiPadではなく紙でグラレコする場合は、後から修正しづらいため、1枚に収めるのが、非常に難しいかと思います。また、完成したグラレコを見て、どういう流れで話が進んでいったのかが分かりづらいとなったことはありませんか?また、1つ1つの話のまとまりについては分かっても、それらの話同士の関係性が上手く表現できないこともあるかと思います。
レイアウトが解決できること
レイアウトを使うことには、以下のようなメリットがあります。
- 最終的なアウトプットのイメージがある状態で描き始められる
- 話の流れが分かりやすく表現できる
- 話ごとのつながりや対比関係が表現しやすくなる
ここで重要なことは、目的に応じてレイアウトを使い分けるということです。「何のためにグラレコをしたいのか」に応じて、目的に適したレイアウトを使い、より分かりやすく納得感のあるグラレコを目指しましょう!
目的別に見た理想のグラレコについては、グラレコ意味ない?目的別に見るグラレコの特徴とメリットにて紹介しています!
話の流れに沿って使う「ストーリー用」
一連の話の流れがあるものにおすすめのレイアウトです。また、講演などにも適しています。具体的に適している場面とポイントについてお伝えしていきます。
ストーリー用レイアウトの例
「ストーリー用」おすすめの場面
ストーリー用のレイアウトは、グラレコをする対象の話や講演の流れが分かっている場合に適しています。
適している場面
- 講演会
- 結婚式やイベント
- 思い出
- 型が決まっているインタビュー
適さない場面
- アイデアを発散する場
- 話がどう展開するのか分からない場
グラレコする際のポイント
話のまとまりごとの関係性に着目できると良いでしょう。原因と結果、結論と具体例、問題と解決策、といった具合に、どのように話が進んでいくのかを表現できると良いですね。また、結婚式やイベントのグラレコでは、印象的な場面をピックアップして描いていくこともおすすめです。時間軸に沿って、各場面の印象的だった発言や出来事をつなげて描いていくことで、1日の振り返りが分かりやすいものになるでしょう。
講演をグラレコする場合は、可能であれば事前に話の流れを確認しておくこともポイントです。講演者の方やグラレコの依頼者の方に、どのような展開で話が進んでいくのか、どこを重点的に描いてほしいのか等を確認しておくことで、納得感の高いグラレコをつくることが可能です。
自分でインタビューを実施しヒアリングしたもののグラレコを行う場合や、既に決められている質問内容に沿って話が進んでいく場合は、予め、どこに何を描くか決めておくのがコツです。先に紙全体に対して、どこに何を描くかが決まっていることで、安心して描くことができます。また「次は何を聴こう?」と考えなくてすむので、インタビューそのものに集中しながらグラレコすることが可能です。
意見を発散させながら使う「アイデア発散用」
話の流れがなく、ブレインストーミングや雑多な意見や感想をグラレコしていく際におすすめのレイアウトです。またマインドマップなど、心や頭の中を描き出してみる際にも適しています。具体的に適している場面とポイントについてお伝えしていきます。
アイデア発散用レイアウトの例
「アイデア発散用」おすすめの場面
アイデア発散用のレイアウトは、グラレコをする対象の話に流れやまとまりがなく、多様なものを一つのアウトプットとしてまとめていくような場合に適しています。
適している場面
- 感想やアイデアを発散する場
- ブレインストーミングをする場
- 多様な意見を求める/集める場
- マインドマップをつくる場
適さない場面
- 話の展開が重要な場
- 講演会
- 型が決まっているインタビュー
グラレコする際のポイント
主観に頼り切らずに、出た意見はなるべく全部描くことが大事です。重要そうな意見や良さそうな意見のみを、グラフィッカーが主観で判断して描いてしまうと、小さな声や新しいアイデアを逃してしまうことになりかねません。ブレインストーミングや多様な意見を集める場面では、誰かの小さな発言が思いも寄らないアイデアにつながることもあります。「変だと思われるかも」「私なんかが発言していいのかな」といった不安を抱えている人に安心を与えられることもグラレコの強みです。
強く正しく聞こえる意見も自信がなさそうな意見も、偉い人の発言もそうではない人の発言も、平等に描くことで、場の心理的安全性が高まり、意見が出やすい空気感を作っていくことが可能です。場の参加者がグラレコされていく様子を見ながら意見を出せる環境だと、場の設計がしやすくなることも特徴です。
また、マインドマップをつくる際にも、とにかく何でも描き出してみることが大切です。上手く描くことや全体のバランスは、ひとまず気にせず、まずは描いていくことを意識しましょう。描いているうちに、波に乗ってきて、新しいアイデアや普段は自覚していなかったようなことが出てきやすくなりますよ。
要点を整理するために使う「要点整理用」
話が体系化されていて、要点を整理していく際に便利なレイアウトです。授業のノートなどストーリー展開がそこまでないが、要点をまとめて整理したい場合におすすめです。具体的に適している場面とポイントについてお伝えしていきます。
要点整理用レイアウトの例
「要点整理用」おすすめの場面
要点整理用のレイアウトは、グラレコをする対象の話に結論がある場合や、要点が明確にあるといった場合に適しています。話のまとまりごとのつながりよりも「問題提起→具体例→回答→まとめ」といったようなアウトプットをまとめていく場面に便利です。
適している場面
- 授業や講義のノートを整理する場
- 本の内容を要約する場
- ニュースの要約をする場
適さない場面
- 正確さよりも、自由に描くことが求められる場
- アイデアを自由に発散させる場
- 内容が把握できていない場
グラレコする際のポイント
予め要点を掴んでおくことが重要です。本の要約やニュースの要約など、はじめに描くべき内容の全体像や要点が分かっている状態で作成していくことをおすすめします。要点を綺麗にまとめることが目的ですので、場づくり的な意味合いよりも、上手に整理することが求められる場合に適しています。
アウトプットとして分かりやすく整理されるため、SNSでの発信にも向いているでしょう。見返したときに、要点がわかりやすいため、場に参加できなかった人に向けた発信にも使いやすいです。注意点は、要点をまとめることに集中するあまり、文字が多くなってしまうことや、文字に少しイラストを添えただけのノートになってしまいやすいことです。もちろん、文字が多くてもOK!といった場合は、そのままで問題ないですが、あくまでも、目的に応じたグラレコができるよう心がけることがポイントです。
本やニュースの要約は、文字だけだと読む気にならないものもあるため、グラレコを使って分かりやすく体系的に整理されていると嬉しいですね。
目的に応じて使い分けることの重要性
一言で「グラレコ」と言っても、見る人や目的に応じて求められるアウトプットの形が大きく異なります。そのため、何のためにグラレコを作成するのか、場に求められているグラレコの役割は何なのかを押さえた上で作成していくことが大切です。
レイアウトを決めておくことで、目的に応じたグラレコを作成しやすくなることが嬉しいですね。予め決まったレイアウトに沿って描いていくことになるため、描く内容そのものに集中できることもメリットの1つです。レイアウトを先に用意しておくことで、グラレコの依頼者に確認しておくべき内容を事前に把握しやすくなります。ぜひ、目的に応じて様々なレイアウトを試してみてくださいね。
さらに分かりやすくするコツ
レイアウトを使った上でさらに分かりやすいグラレコ作成のコツをご紹介します。既に描いている方も多いと思いますが、改めて意識することで安定したアウトプットにつながります。
内容ごとにタイトルをつける
レイアウトで決まっている枠組みの単位でタイトルをつけると良いでしょう。一言でまとめることがポイントです。何の話なのかキーワードがあれば、絵を見てすぐに理解しやすくなります。全てを絵で表現しきる必要はないため、文字とイラストとのバランスを取りつつわかりやすいグラレコを目指せると良いなと思います。
イベントや講演の概要を描く
グラレコする講演やイベントの日時やタイトル、講演者の名前などを記載しましょう。グラレコをするスペースとは別の場所に、タイトルの枠を設けることでまとまった印象を与えることができます。アイデア発散用のレイアウトであれば、タイトルやテーマを真ん中に描くことで、意見やアイデアが発散されている様子を視覚的にも表現できます。
外枠をつける
外枠があるだけで、ぐっと完成度が上がるように見えます。会場やイベントのテーマカラーを用いることで、よりその場のイメージに沿ったグラレコを作成することができます。また、外枠の付け方によっても与える印象が変わります。ふわふわとした囲いにすると、柔らかな印象に、紙やiPadのパレットの外枠に沿った囲いにするときっちりした印象になります。外枠一つでも与える印象を変えられるので、ぜひ試してみてくださいね。
まとめ
ここまで、グラレコのよく使う3種類のレイアウトの適している場やグラレコする際のポイントご紹介してきました。
- 話の流れに沿って使う「ストーリー用」
- 意見を発散させながら使う「アイデア発散用」
- 要点を整理するために使う「要点整理用」
自分がよく使うレイアウトを、さらにブラッシュアップさせていけるとより使いやすいレイアウトを作成可能です。レイアウトを使うことで、グラレコを上手く1枚に収めやすくなります。また、予めレイアウトを作っておくことで、グラレコ作成中に意識しなくても、内容や時系列が分かりやすいものを作ることができます。目的別に、意図的にレイアウトを使い分けることで「いつも同じ」を抜け出して、わかりやすいグラレコへの一歩になればと思います!